演 – 加藤嘉 多治見春代 私立探偵。諏訪弁護士の依頼で井川丑松の死について調査するため八つ墓村にやってくる。, 森美也子(小川真由美) 多治見家の実質権力者である双子の老婆の姉。親族連中から財産を狙われてる事を見抜き、辰弥に何としても跡目を継いでもらうように厳しく当たる。連続殺人の犠牲者とならなかったものの鍾乳洞から現れた大量の蝙蝠に多治見家を荒され、仏壇の火が家に燃え移り多治見家もろとも運命を共にした。 演 – 山本陽子 鶴子の父で、辰弥の祖父。諏訪法律事務所で辰弥と面会後、毒殺される。辰弥が要蔵の子供でないことを工藤から聞いており、出発前に勘治に伝えていた。, 尼子義孝(夏八木勲) 『八つ墓村』(やつはかむら)は、1977年に公開された、野村芳太郎監督の日本映画。原作は横溝正史の同名小説。, 1960年代後半からの横溝ブーム(漫画化・映画化にいたる経緯は「石坂浩二の金田一耕助シリーズ」の項を参照)を受けて、松竹は1975年に『八つ墓村』の制作を決定する。監督の野村芳太郎をはじめ、脚本の橋本忍、撮影は川又昂、音楽に芥川也寸志と『砂の器』を制作した陣営を起用し、2年3箇月の製作期間と7億円(現在の15億円分)の制作費をかけた[2]上で東宝作品などと競うように封切られ、目論見通り配収19億8600万円という松竹映画の歴代に残る大ヒット作となった。, 探偵・金田一耕助の役には渥美清を配するなど、同時期の東宝配給による石坂浩二のシリーズとは作風が大幅に異なる。事件を「祟りに見せかけた犯罪」ではなく「本当の祟り」として描き、主要登場人物を大幅に削減して人物関係を簡略化し、推理物でありながら金田一による謎解きのくだりが短縮され、終局は背景を鍾乳洞洞窟とした迫力ある恐怖描写に差し替える等、推理劇風のオカルト映画へと改変した異色作となった。テレビCMで流された濃茶の尼のセリフである「祟りじゃ〜っ」[3]は、キャッチコピーとして流行語にもなった。, 金田一役に渥美清が起用されたのは横溝自身の希望によるものである。松竹から本作の映画化の申し込みがあった際、金田一についてはまだ決まってないが二枚目になるだろうと言われ、それに対し横溝は「探偵というものは狂言回しでしょう。主人公は別にいるんですヮ。犯人か被害者かどちらかが二枚目になるでしょう、二枚目を二人出されちゃ困る。だから金田一役、やっぱり汚れ役にしてほしい、お宅ならやっぱり渥美清だろうって、ぼく、そういったことがあるんですけどね。」と述べている[4]。, 舞台は原作の昭和20年代から現代(公開当時)へと移している(この作品よりも後に製作された東宝のシリーズは原作の通りの時代設定)。日本航空と提携した上で辰弥の職業を空港職員に設定し、ジェット機が離着陸する近代的な場面を冒頭に見せる事で、失われつつある農村風景や前近代的風習の古さを強調している。, テレビ初放送は1979年10月12日、フジテレビ系列にて。ビデオリサーチ調べでは、関東地区の視聴率は34.2%。, 寺田辰弥は首都圏空港で航空機誘導員をしていたが、ある日の新聞尋ね人欄の記述により、大阪北浜の法律事務所を訪ねることになった。体にあった火傷の痕で辰弥は尋ね人本人と認められるが、そこで初めて会った母方の祖父であるという井川丑松は、その場で突然、苦しみもがき死んでしまう。辰弥は、父方の親戚筋の未亡人である森美也子の案内で生れ故郷の八つ墓村に向かうことになった。辰弥は美也子から、腹違いの兄・多治見久弥が病床にあり余命幾ばくもなく子もいないため、辰弥が故郷の豪家の多治見家の後継者であると聞かされる。赤子であった辰弥を連れて村を出た母の鶴子は、別の地で結婚した後、辰弥が幼いころに病死しており、辰弥は自分の出自について今まで何も知らずにいたのだった。, 美也子に聞かされた多治見家と八つ墓村にまつわる由来は、戦国時代にまで遡った。1566年、毛利に敗れた尼子義孝という武将が、同胞と共に8人で今の八つ墓村の地に落ち延び、村外れに住みついた。しかし落ち武者たちは、毛利からの褒賞に目の眩んだ村人たちの欺し討ちに合って惨殺される。落ち武者たちは「この恨みは末代まで祟ってやる」と呪詛を吐きながら死んでいった。このときの首謀者である村総代の庄左衛門は褒賞として莫大な山林の権利を与えられ、多治見家の財の基礎を築いた。だが、庄左衛門はあるとき突如として発狂、村人7人を斬殺した後、自分の首を斬り飛ばすという壮絶な死に方をする。村人は、このことにより落武者の祟りを恐れ、義孝ら8人の屍骸を改めて丁重に葬り祠をたてたことから、村は八つ墓村と呼ばれるようになったというものだった。, さらに、辰弥の父だという多治見要蔵も、28年前に恐ろしい事件を起していた。要蔵は事件当時に多治見家の当主で妻もありながら、若い鶴子を強引に妾にし、多治見家の離れに軟禁していた。しかし、鶴子が生まれたばかりの辰弥を連れて出奔してしまい、その数日後の夜に要蔵は発狂して妻を斬殺、村人32人を日本刀と猟銃で虐殺し、失踪したという。, 八つ墓村では、辰弥の帰郷と呼応するように、また連続殺人が起こりはじめ、私立探偵の金田一耕助が事件調査のため村に姿を現わす。, その他の原作からの変更点のうち、既述の時代設定以外で特に重要なものとして下記を挙げることができる。, 本陣殺人事件 - 獄門島 - 悪魔が来りて笛を吹く - 死仮面 - 夜歩く - 八つ墓村 - 犬神家の一族 - 迷路荘の惨劇 - 女王蜂 - 不死蝶 - 幽霊男 - 悪魔の手毬唄 - 三つ首塔 - 死神の矢 - 支那扇の女 - 悪魔の寵児 - 仮面舞踏会 - 白と黒 - 悪霊島 - 病院坂の首縊りの家, 百日紅の下にて - 車井戸はなぜ軋る - 黒蘭姫 - 蝙蝠と蛞蝓 - 暗闇の中の猫 - 黒猫亭事件 - 殺人鬼 - 女怪 - 人面瘡 - 鴉 - 幽霊座 - 湖泥 - 睡れる花嫁 - 花園の悪魔 - 廃園の鬼 - 蜃気楼島の情熱 - 首 - 七つの仮面 - 華やかな野獣 - トランプ台上の首 - 貸しボート十三号 - 悪魔の降誕祭 - 香水心中 - 霧の山荘 - 猫館 - 雌蛭, 三本指の男 - 獄門島 - 獄門島 解明篇 - 八ツ墓村 - 悪魔が来りて笛を吹く - 犬神家の謎 悪魔は踊る - 三つ首塔, 犬神家の一族(1976年版) - 悪魔の手毬唄 - 獄門島 - 女王蜂 - 病院坂の首縊りの家 - 犬神家の一族(2006年版), 人形佐七捕物帖(1965年テレビドラマ) - 人形佐七捕物帖(1977年テレビドラマ版), 恐ろしき四月馬鹿 - 髑髏検校 - 鬼火 - びっくり箱殺人事件 - 女が見ていた, 映画本編では「祟りじゃ」「祟りなんじゃ」という科白は何回も出てくるが、テレビCMのように長く叫ぶ科白は無い。, https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=八つ墓村_(1977年の映画)&oldid=79858733, 辰弥が守り袋に持っていた鍾乳洞の地図(「竜の顎(あぎと)」というキーワードのみを聞かされていた), 野村荘吉による美也子への疑惑(美也子の夫は特に不審点の無い交通事故死、金田一は諏訪弁護士の依頼で丑松殺害調査のために来村), 里村兄妹(慎太郎、典子)の存在(森荘吉(原作の野村荘吉、美也子の義兄ではなく義父)は要蔵の従弟なので、美也子自身に優先順位の低い間接的相続権がある), 小梅と小竹による辰弥への睡眠薬投与(鍾乳洞への入口が別棟の納屋にあるため、なお入口は壁の隠し扉で長持に偽装はされていない), 慶勝院梅幸および麻呂尾寺の長英と英泉の存在(事件終結後に金田一が亀井陽一の存命を知るが、辰弥には対面させないことにした), 村人たちによる鍾乳洞内での辰弥追跡(鍾乳洞の入口で待ち構える態勢を選択する)、および美也子による扇動, 新聞の尋ね人に弁護士のフルネームが「諏訪啓」、辰弥の養父の名が「辰造」(原作では虎造)と記載されている。, 僧侶の被害者は濃茶尼妙蓮のみ、久弥の初七日では亀井陽一と鶴子の関係を知る工藤校長が毒入り料理を食べて死亡する。, 辰弥と美也子は恋仲となり、洞内を探検して亀井と鶴子が情交していた「竜の顎(あぎと)」を発見し情を交わす。, 犯人であることを辰弥に知られた美也子は、般若面の形相になって辰弥を追い回して殺そうとするが、辰弥の悲鳴で落盤が起き、埋もれて死ぬ。辰弥は落盤で開いた天井の穴(八つ墓明神の近くに開いていた)から脱出する。多治見家には落盤で飛び立った蝙蝠の大群が押し寄せ、結果飛び回る蝙蝠によって仏壇の蠟燭が倒れたことや蠟燭の火によって発火した蝙蝠の焼死体が障子にぶつかったことなどで出火、火事になり念仏を唱える小竹諸共全焼した。. 辰弥の父。妻子がいたが鶴子に恋をし、拉致監禁して妾になることを強要した。鶴子の失踪後、発狂して村人32人を虐殺。その後行方不明になる。辰弥が自分の子供ではないことを知っていた。, 多治見おきさ(島田陽子) 磯川(警部) – 花沢徳衛

要蔵の甥で、村の診療所の医師。多治見の財産を狙っている。鍾乳洞内で遺体となって発見される。, 濃茶の尼(任田順好) 原作はコチラ横溝正史萩原健一主演 (1977年)*金田一耕助役は渥美清豊川悦司主演 (1966年)古谷一行主演(1978年)古谷一行主演(1991年)あらすじはコチラ→公式サイト慎太郎が夜な夜な出掛けていたのは財宝探しに鍾乳洞。彼が寝込んだ © 2020 いつでもドラマな毎日 All rights reserved. 濃茶の尼 – 任田順好 演 – 渥美清

製作:野村芳太郎,杉崎重美,織田明

亀井陽一 – 風間杜夫 矢島(刑事) – 綿引洪 多治見庄左衛門 – 橋本功 西屋の博労。28年前の事件で要蔵に新妻を殺されている。多治見家の跡取りとして八つ墓村に現れた辰弥に、激しい憎悪を抱く。, 新井(下條アトム)

尼子義孝 – 夏八木勲 井川勘治 演 – 小川眞由美 当時の映画に関する記憶は定かではないのですが、, 原作では、これは濃茶の尼や村人たちによる被害妄想に過ぎず、連続殺人事件と〝祟り〟は一切関係ないのですが、この映画では連続殺人事件のもうひとつの真相を〝落ち武者の呪い〟と思わせる独自の脚色がなされています。, 原作とはまったく異なる結末ですが、これはこれで面白かったし、映画としてもストーリーとしてもよくできていました。, 原作でも「男前」という設定ではありましたが、ショーケンが演じる辰弥はちょっと不良っぽい。, 原作の辰弥と違って、彼は最初から多治見家の跡取りになる気はさらさらなく、自分が要蔵の子供ではないことがわかると、もう関係ないと言ってすぐに村を出て行こうとします。, 実はこの映画の時代設定は、原作の昭和20年代ではなく、現代(公開時)に変更されているんですよね。, つまりショーケン演じる辰弥は、1970年代の若者というわけ。 辰弥の実の母。八つ墓村の郵便局で働いていた。要蔵に連れ去られ監禁された末に辰弥が生まれたかに見えたが、幼いころにいじめられた辰弥には「お前のお父さんは外国にいる」と教えていた。 2019年9月21日2020年4月7日

ショーケンこと萩原健一さん、小川真由美さん、山本陽子さん。, 山崎努さん、市原悦子さんの怪演は言わずもがな。 音響・音楽:8点

1977年 10月29 日: 上映時間: 151分 ... 日本語: 配給収入: 19億8600万円 (1977年邦画配給収入3位) テンプレートを表示 『八つ墓村 』(やつはかむら)は、1977年に公開された、野村芳太郎監督の日本映画。原作は横溝正史の同名小説. 6分, キャスティングには、昭和の名優がずらり。 井川鶴子 演 – 市原悦子 特殊メイク:マキシーン・坂田 多治見小梅 山本陽子や小川眞由美の美しさも目を引きますし、萩原健一や山崎努の演技力も素晴らしいものです。金田一耕助役の渥美清も寅さんとは違った演技を披露していますし、好感がもてるものでした。, とはいえ、この作品には惨いシーンや虐殺シーンが多くあり、生理的に受付けない方も多いので視聴の際はご注意を!, 1970年代後半の横溝ブーム(漫画化・映画化にいたる経緯)を受けて、松竹は監督の野村芳太郎をはじめ、脚本の橋本忍、撮影は川又昂、音楽に芥川也寸志と、『砂の器』を制作した陣営を投入、東宝作品などと競うように封切られ、目論見どおり配収19億8600万円という松竹映画の歴代に残る大ヒット作となった。 編集:8点 © 2020 いつでもドラマな毎日 All rights reserved. 多治見家の先代の跡取りで辰弥達の父親。既婚にもかかわらず鶴子を無理やり監禁して、子供を身ごもらせる。鶴子の失踪後狂いだし村の住人32人を虐殺する。その後行方不明になる。 撮影:川又昂 多治見家を仕切る双子の老姉妹の姉。多治見家の跡取りとして辰弥に期待をかける。妹の小梅と共に、夜な夜な地下の鍾乳洞に通っている。, 多治見小梅(山口仁奈子) 多治見家の二女で辰弥の異母姉。一度嫁に出たが子宮筋腫で婚家から戻ってきた過去がある。辰弥に父・要蔵の秘密を明かす。洞窟に避難している辰弥に差し入れに向かったところを殺害され七番目の犠牲者となる。その際、犯人の左小指を噛み深手を負わす。 脚色:橋本忍

多治見家の祖先。村の相談役4人のうちの1人。落武者8人を殺した首謀者として、毛利から莫大な山林の権利を得て財産家となる。その後、発狂して村人7人を斬り殺し、最後に自分の首を切り落とした。, 井川鶴子(中野良子)

日本刀と猟銃で次々と村人たちを惨殺していく。, 頭に巻いたはちまきの両側に懐中電灯を1本ずつ差し、首からナショナルランプを提げ、地下足袋を履き、日本刀と猟銃を両手に持ち、満開の桜の下を疾走する要蔵。, ちなみにこの要蔵のいでたちは、この事件のモデルとされた「津山事件」の犯人を再現しています。, 約4分ほどのシーンですが、インパクトは絶大でした。 演 – 藤岡琢也 11分, 昭和24年に発表された、金田一耕助シリーズの長編第4作目にあたります。『本陣殺人事件』や『獄門島』と同じく、岡山を舞台とする作品。, タイトルが強烈なのと、子供の頃の映画の印象が強かったので、もっと陰惨で恐ろしい話を想像していました。映画の名台詞「八つ墓の祟りじゃ~っ!」が当時大流行して、わたしも怖がっていた記憶があって。, これはほかの金田一シリーズについても言えることだけど、映像はホラーの味付けが濃いですね(後年、著者は自作を“怪奇”ジャンルに分類されるのを嫌がったとか)。, 原作は、正直そんなに怖くない。「八つ墓村」は基本的には探偵小説だけど、伝奇小説や冒険小説、ロマンスの要素もたっぷりで、とてもワクワクする面白い作品でした。, 金田一耕助(きんだいちこうすけ)私立探偵。鬼首村で起きた事件(『夜歩く』)の解決後、ある人物の依頼を受けて八つ墓村にやってきた。年齢は35、6歳。もじゃもじゃ頭で風采のあがらぬ小柄な人物。興奮するとどもりがひどくなり、もじゃもじゃ頭をかき回す。, 寺田辰弥(てらだたつや)本編の主人公で語り部。色白の美男。全身に無数の傷痕がある。7歳の時に母・鶴子が亡くなり、義父・寺田虎造に育てられる。21歳で召集され、終戦の翌年に復員。義父が戦争で死に、天涯孤独となる。神戸の化粧品会社で働いていたが、田治見家の跡取り(田治見要蔵の息子)として八つ墓村に呼び戻され、事件に巻き込まれる。, 磯川常次郎(いそかわつねじろう)岡山県警の警部。八つ墓村の殺人事件を担当する。金田一を信頼している。, 田治見小梅/田治見小竹(たじみこうめ/たじみこたけ)要蔵の伯母(辰弥の大伯母)で、育ての親。一卵性の双子。田治見家の財産を狙う里村家に嫌悪感を抱き、要蔵の息子・辰弥を探し出して田治見家を継がせようとする。, 田治見要蔵(たじみようぞう)辰弥の父。粗暴で残虐な男。26年前、辰弥の母・井川鶴子を力づくで妾にした。鶴子が家出したため発狂し、村人32人を虐殺。山中へと逃げ込み、以来行方不明となっている。, 田治見久弥(たじみひさや)要蔵の長男。肺病を患い、死期が近い。辰弥と対面した直後、何者かに毒殺される。2人目の犠牲者。, 田治見春代(たじみはるよ)要蔵の長女。物静かで穏やかな女性。一度は他家に嫁いだものの心臓が弱く子供が産めない体となったため離縁され、実家に戻って小梅と小竹の世話をしている。辰弥に深い愛情を持って接する。, 里村慎太郎(さとむらしんたろう)要蔵の甥で、典子の兄。元軍人(少佐)。戦時中は羽振りがよかったが、戦後は没落。村に戻って失意の日々を送っている。美也子とは戦時中から付き合いがあり、ひそかに好意を寄せていた。田治見家の財産を狙う者として、田治見家の人々から嫌われている。, 里村典子(さとむらのりこ)慎太郎の妹。無邪気で天真爛漫な性格。辰弥に一途な好意を寄せ、辰弥の心強い味方となる。, 野村荘吉(のむらそうきち)野村家当主。八つ墓村で田治見家と並ぶ分限者。美也子の亡き夫・達雄の兄。, 野村達雄(のむらたつお)荘吉の弟で、美也子の夫。太平洋戦争の3年目に脳溢血で亡くなった。戦時中は電気器具の製造工場を経営し、同郷で軍人の里村慎太郎と親しくしていた。, 森美也子(もりみやこ)未亡人。荘吉の義妹で、30過ぎの都会的な女性。姐御肌で、人から頼られることを好む性格。八つ墓村から辰弥を迎えにくる。戦時中、軍人だった里村慎太郎の助言で金を儲けている。, 久野恒実(くのつねみ)村の診療所の医者。田治見要蔵の従兄。久弥の主治医だが、大伯母たちからは「ヤブ医者」扱いされている。疎開医師の新居に患者を奪われつつあり、新居を妬んでいる。妙蓮が殺害された後、姿を消す。趣味は探偵小説を読むこと。, 新居修平(あらいしゅうへい)大阪から疎開してきた医者。辰弥の祖父・丑松の主治医。腕と人柄がよく対応も丁寧なことから、村人の信頼を集めている。患者を奪われたという理由で、久野から逆恨みされている。, 寺田鶴子(てらだつるこ)辰弥の母。旧姓は井川。19歳の時、妻子持ちの田治見要蔵に拉致され、力づくで妾にされた。要蔵の異常な執着や度重なる暴力に耐えかね、幼い辰弥を連れて姫路の親戚のもとに身を隠す。その後、神戸で15歳年上の寺田虎造と結婚。辰弥が7歳の時に亡くなっている。終生、要蔵から受けた仕打ちのトラウマに苦しんでいた。, 寺田虎造(てらだとらぞう)鶴子の夫で、辰弥の義父。神戸の造船所の職工長だったが、戦時中に爆撃で亡くなる。, 亀井陽一(かめいよういち)小学校の訓導で、鶴子の恋人。鶴子が要蔵の妾となった後も、鍾乳洞で逢い引きを重ねていた。26年前の事件の時は隣村にいて難を逃れた。事件後、転勤で村を離れている。, 井川丑松(いかわうしまつ)鶴子の父で、辰弥の祖父。当初、辰弥を八つ墓村に連れ帰る役目を担わされていたが、諏訪法律事務所で辰弥と会った直後に毒殺される。一人目の犠牲者。, 長英(ちょうえい)隣村にある麻呂尾寺の住職。八つ墓村の住人ではないが村に檀家が多く、村民の信望も篤い。80歳と高齢のため、最近は弟子の英泉が名代をすることが多くなっている。, 英泉(えいせん)長英の弟子。長英にかわって麻呂尾寺のことを取り仕切っている。戦争中は満州の寺で苦行僧となっていたが、終戦後に引き揚げて麻呂尾寺に入った。辰弥を一連の事件の犯人として疑う。, 洪禅(こうぜん)田治見家代々の菩提寺である蓮光寺の住職。30過ぎで、書生のような風貌。3人目の犠牲者。, 妙蓮(みょうれん)村人からは「濃茶の尼」と呼ばれる。26年前の事件で要蔵に夫と子供を殺され、出家した。迷信深く、八つ墓明神の祟りを恐れている。辰弥を災いの元と決めつけ、村から出て行くように命じる。手当たり次第他人のものを盗む癖がある。, 梅幸(ばいこう)慶勝院の尼。妙蓮とは対照的に人望がある。辰弥に「話したいことがある」と言った後、何者かに毒殺される。4人目の被害者。, 吉蔵(きちぞう)西屋の博労。26年前の事件で新妻を殺され、要蔵の身内である辰弥に激しい憎しみを抱く。暴徒化した村人たちと共に辰弥を追って鍾乳洞に入り、辰弥を殺そうとする。, 諏訪(すわ)神戸の「諏訪法律事務所」の弁護士。田治見家からの依頼で、辰弥を探していた。, 作中で描かれている「田治見要蔵の大量虐殺事件」は、本作執筆の11年前(昭和13年)に岡山県で実際に起きた津山事件(津山30人殺し)がモデルになっています。, 事件当時は報道されなかったため、著者が事件について知ったのは戦後になってからでした。, 津山事件23歳の男性が引き起こした日本犯罪史上稀有(けう)な大量殺人事件。現場が岡山県津山市に近い苫田郡西加茂村(現,加茂町)なので,この名がある。犯人の都井睦雄(1915‐38)は,元来,敏感・繊細で,祖母と姉を敬慕していたが,肺結核の罹患,徴兵検査の不合格,異性関係の挫折などから内面の葛藤が強まり,20歳ごろ自殺観念が生ずる。ついで,この観念を母体にして村人への復讐および殺人衝動が芽生え,周到な計画・訓練・予行ののち,ついに1938年5月21日午前2時,実行に移る。(世界大百科事典 第2版より), 津山事件で殺害されたのは30人ですが、本作では32人(8の倍数)に変更されています。, 終始、彼の視点で語られるため、金田一耕助は脇役です(辰弥は金田一が有名な探偵だとは知らず、頼りない男だと思ってます)。, 出生の秘密については何も知らされず、両親亡きあとは天涯孤独の身となっていましたが、ある日突然〝田治見家の跡取り〟であることを知らされます。, 辰弥を迎えにきたのは、鶴子の父・井川丑松でした。その前後、辰弥の身の回りで不審な出来事が起こります。, 誰かが辰弥のことを調べ回っていることがわかり、さらに、「八つ墓村に帰ってきてはならぬ」という警告状が届きます。, しかし、辰弥が話をしようとしたとき、丑松は突然血を吐いて死んでしまいます。中毒死でした。, その後、毒物はカプセルの中に仕込まれており、胃の中で溶解するまでに時間がかかることが判明。祖父が普段から飲んでいる喘息の薬の中に紛れ込んでいたらしいことがわかります。, 都会的で明るく、面倒見のいい美也子に、辰弥はたちまち魅了されます。そして彼女と諏訪弁護士から、はじめて自分の出生にまつわる出来事を聞かされます。, 父・田治見要蔵が母・鶴子を拉致し、無理やり妾にしたこと。鶴子が自分を連れて姫路に逃げてきたこと。, 中でも〝濃茶の尼〟と呼ばれる妙蓮は、「おまえが来ると村はまた血でけがれる」「いまに八人の死者が出る」と叫び、辰弥を追い返そうとします。, 一方、田治見家の人々は、辰弥を喜んで迎え入れます。とくに腹違いの姉・春代は、ことさら辰弥に優しく接してくれました。, 辰弥は、母がかつて暮らしていた離れの座敷に寝泊まりすることになるのですが、その離れには最近妙なことがあったと春代が言います。, 戸締まりはされているのに、部屋に誰かが入ったような形跡があったり、屏風の位置がずれていたり。, さらに、この部屋に泊まった奉公人が、「お坊さんが屏風の絵から出てきた」などと証言しているという。, 春代が屏風の後ろに落ちていた古い地図の話をしたとき、辰弥は思わず「あっ」と叫びます。, 屏風から抜け出た人物は誰なのか?屏風にどんな秘密が隠されているのか?辰弥が持っている地図の正体は?, 話の途中で発作を起こした久弥は、薬を飲んで血を吐き、亡くなります。久弥もまた、のちに中毒死であることが判明しました。, 金田一は「用心するように」と辰弥に忠告し、「この事件はこのままじゃおさまらない」と不吉なことを言って立ち去ります。, さらに、久弥の初七日の日、田治見家を訪れていた蓮光寺の住職・洪禅が殺されます。またしても毒殺でした。, その場に居合わせた麻呂尾寺の英泉は、「俺を殺そうとして、間違えて洪禅を殺したんだろう!」などと叫び、その場は騒然となります。, 春代は、先月の初めに英泉がどこかに旅行をしていたことを思い出し、辰弥に打ち明けます。, 辰弥はそれを聞いて、「神戸で自分のことを聞いて回っていたのは、英泉さんではないか」と考えます。, 洪禅が殺される直前、辰弥は慶勝院の梅幸尼に「あなたに話があります」と言われていました。, 遺体のそばに一枚の紙片が落ちていて、そこには「田治見久弥と野村荘吉」「妙蓮と梅幸」など、相似する身分や職業の人間ふたりを一組とする、5つの組み合わせが書かれていました。, 組み合わせ表を見た金田一は、「犯人は、2人のうちどちらが死んでもよかったのではないか」と推理します。, 辰弥が尼寺の近くで里村慎太郎の姿を見かけた翌日、濃茶の尼(妙蓮)の遺体が発見されます。今度は毒殺ではなく、絞殺でした。, 筆跡鑑定の結果、梅幸尼の遺体のそばに落ちていた組み合わせ表は、久野の筆跡であることが判明。しかし金田一は、久野にはアリバイがあると言います。, ある夜、辰弥は双子の大伯母たちがこっそりと離れの納戸に入っていくのを見かけ、納戸の長持ちの底に地下に通じる抜け孔があることに気づきます。, 辰弥は自分を追って偶然に鍾乳洞の存在を知った典子と洞窟の中を探検し、そこに重大な秘密が隠されていることを知ります。, 26年前、双子の大伯母たちは、事件を起こした要蔵を地下にかくまったものの、家名や世間体などを考えひそかに毒殺。, 地下で腐敗せず屍蝋と化した要蔵の遺体に380年前の落武者の鎧を着せ、祀ったのでした。, 自分が肌身離さず持っている地図が「地下迷路の地図」だと気づいた辰弥は、鍾乳洞のどこかに黄金三千両が隠されていることを確信します。, 辰弥の地図には「竜の顎」「狐の穴」「鬼火の淵」などの地名が書き込まれており、春代が離れで見つけた地図には「猿の腰掛」「天狗の鼻」「木霊の辻」といった地名が書き込まれていました。, 辰弥は金田一と磯川警部と共に地下の捜索に加わり、3人は「鬼火の淵」で小梅の遺体を発見します。, 遺体のそばには久野の帽子と、「小梅様」「小竹様」と書かれた例の組み合わせ表の続きが落ちていました。, 複雑に入り組んだトンネルを進んで「狐の穴」に辿り着いた3人は、久野の遺体を発見します。, 遺体の上には「久野恒美」「新居修平」と書かれた紙片が置いてあり、久野の名前の上に赤い棒線が引かれていました。, それは、母と恋人の亀井陽一が交わした手紙の数々でした。辰弥は職人を呼び寄せ、その手紙を取り出します。, 写真を見た辰弥は、亀井陽一が自分とうりふたつであることを知り、自分の本当の父親が亀井陽一であることに気づきます。, 目的は、辰弥を捕らえて殺すこと。彼らは一連の殺人事件の犯人が辰弥であると思い込んでいるのでした。, 先頭に立って辰弥を追う吉蔵は、26年前の事件で要蔵に新妻を殺され、辰弥を殺して恨みを晴らそうとしていました。, 辰弥が洞窟の中で探し当てると、春代は「木霊の辻」で何者かに襲われ、鍾乳石のかけらで胸を刺されていました。, 春代は辰弥の腕の中で、辰弥への愛を告白します。彼女は辰弥が要蔵の息子ではなく、自分と血縁にないことを知っていました。, 辰弥と典子は迫り来る追っ手から逃れるうちに洞窟の奥へと迷い込み、ついに隠された宝の山を見つけますが、同時に落盤によって洞窟内に閉じ込められてしまいます。, 春代は死ぬ直前、犯人の小指を噛み切ったと言っていました。典子は、小指を噛み切られた人物を知っていると打ち明けます。, 美也子は自分で傷の治療をしようとして失敗し、傷口からばい菌が入って重体に陥っているというのです。, 洞窟から無事に脱出した辰弥は、隣村の麻呂尾寺を訪ねます。村人たちの暴動を鎮めてくれたのは、麻呂尾寺の住職・長英でした。, 辰弥は長英から、驚くべき事実を告げられます。長英の弟子・英泉こそ亀井陽一であり、辰弥の実の父だと。, 26年前の事件のあと、英泉は罪悪感から出家し、満州の奥地で苦行僧となり、すっかり人相が変わってしまっていたのでした。, 神戸で辰弥のことを聞いて回っていたのは、彼自身にも辰弥が自分の子か要蔵の子かわからなかったからだと言います。, 村にやってきた辰弥の顔を見てわが子だと確信するも、辰弥の本心が読めず、田治見家の財産を手に入れるために実の父である自分を殺そうとしている……と思い込んでいたのです。, 英泉は、かつて麻呂尾寺に伝わる地図を頼りに宝探しをしたことがあり、辰弥の母・鶴子と逢い引きを繰り返していたのも洞窟の中でした。, そのため、ときどき鶴子を思って地下道をうろついたり、田治見家の離れに入り込んで屏風を眺めたりしていたのでした。, 集まったメンバーは、磯川警部、新居医師、野村荘吉、英泉、慎太郎、典子、諏訪弁護士、そして辰弥。, そこで金田一は、「ひょっとすると犯人は、ほんとうの動機をカムフラージュするために、ああいう動機を示しておきたかったのではないか」と考えました。, もともとは、探偵小説マニアの久野医師が、新居医師を殺すために企てた空想上の殺人計画でした。, ところがその計画を書いたノートが入った往診カバンを、濃茶の尼が盗んだ。ノートは捨てられ、たまたま美也子が拾い、田治見家の皆殺し計画に利用されてしまったのです。, 自分が考えた殺人計画が、誰かによって実行されていると知った久野医師は、恐怖におびえて逃げだし、美也子に毒殺されたのでした。, 美也子の目的は、田治見家の人間を殺し、慎太郎に田治見家を継がせることでした。そうすれば、慎太郎の自信も回復し、自分に求婚してくるに違いないと考えたのです。, 辰弥に「八つ墓村に帰ってきてはならぬ」という警告状を送ったのも、村人たちを巧みに扇動して暴動を引き起こさせたのも、美也子でした。, 当初は面倒見がよく、辰弥に親切だった美也子が、途中から急によそよそしくなり冷たい態度を取り始めたのは、「私は辰弥が犯人だと思っている」ということを、それとなく村人たちに信じ込ませるためでした。, 辰弥は典子を連れて神戸へ帰ることになり、父・英泉は村に残って老師をみとり、人々の冥福を祈って暮らすことを決めます。, 典子から妊娠の知らせを聞いた辰弥は、生まれてくる子供には自分のようなみじめな半生を与えまいと誓います。, 後半は殺人事件よりも鍾乳洞での探検がメインになり、辰弥と典子のロマンスも加わって、ワクワクする展開になっていたのと、辰弥が隠された財宝を見つけ出して典子と結ばれる、という冒険小説の大団円のような結末が、明るい印象を残したのだと思います。, 映画のイメージで「祟り」や「呪い」が真っ先に浮かぶけど、作中でそれらが実際に登場する場面はありません。金田一はあくまで理知的に解決します。, あらすじの最初にも書きましたが、この作品は終始「寺田辰弥」の視点で語られるので、金田一の行動の理由についてはすべて事後説明になっています。, 金田一にとっての見せ場は最後の「謎解き」の場面だけ、と言ってもいいほど。そこがちょっと残念ではありました。, 登場人物が多いので、映像化されると大幅に改変されることが多いようです。鍾乳洞での探検や典子との逃避行も省かれるみたいで……ここが面白いのに!, ▼映画「八つ墓村」の感想映画「八つ墓村(1977)」あらすじ感想。トラウマになる怖さ!落武者の呪いと32人殺し, ▼ドラマ「八つ墓村」の感想NHKドラマ「八つ墓村(2019)」あらすじ感想。結末は原作寄り、情感あふれる愛憎劇.